前立腺がん 第4回 PSA検査受けるべき?
これで、このPSA検査関連、最終回です。
続けて読んでくださっている方、もうしばらく、お付き合いください。
1回目の記事はこちら。
ojisan-chiebukuro.hatenablog.com
2回めの記事はこちらです。
ojisan-chiebukuro.hatenablog.com
3回目の記事はこちらです。
ojisan-chiebukuro.hatenablog.com
よかったらお読みください。
これまでを要約すると、
おじ(70代・独身・お子さんいない)の
前立腺がんの付添をしていて、当事者のそばにいた者として、
PSA検査について、驚いた事実があったので、それを共有したい、
ということから記事を書いております。
前回、手術が無事に終わって、やれやれ、と思い
今後もPSA検査を、継続的にしていきましょうね
というところで終わりました。
その後、衝撃的な記事を読んだのです。ネットで。
当方、毎日新聞を購読しておりまして、日々愛読しているのですが、
当記事も読んでいたはずですが、当事者でなかったために、
さらっと読み流していたのでしょうね。
改めて読んで、すごいことが書かれていました。
2018年8月の記事です。
というタイトルです。
(この「賢い選択」シリーズ。毎回、最新の情報が書かれていて、
興味深いです。おすすめです。)
以下に、要約します。
これは確かな事実です。
しかし、事は単純ではなくて、
以下、記事をそのまま引用します。
早期発見による利益と不利益のバランスだ。
米国予防医学専門委員会によると、
55歳以上で自覚症状のない1000人がPSA検査を受けた場合、
異常値となった240人のうち精密検査で100人にがんが見つかるが、
前立腺がんによる死亡を避けられるのは1~2人。
60人以上は寿命に影響しない前立腺がんを取り除く医療行為などによって、
尿失禁や勃起不全の合併症を経験する。前立腺がんは進行が比較的遅く、
寿命に影響しないことも多いという事情があり、不利益が利益を上回るケースもある。
ということが書かれていました。
おじの場合は、がんが、前立腺から
広がりかけていたわけですから、
前立腺がんそのものでは、問題がなくても、
転移した部位でのがんによる死亡ということも
考えられたわけです。
当事者側としては、
今回、PSA検査によって、早期発見できたのは「良かった」
と思えます。
しかし、アメリカではこんな動きがあるようです。
以下、引用します。
過剰医療をなくそうと70以上もの専門学会が参加している
米国のキャンペーン「Choosing Wisely」(賢い選択)でも、
米国泌尿器科学会が「リスクについて医師と話し合った後に検査を検討すべきで、日常的に受けるべきではない」と呼び掛けている。
米国ではPSA検査について、医師と患者が対等に話し合い、
結果についての責任も両者が負う「シェアード・ディシジョン・メイキング」
という考え方が浸透している。
一方、国内での動きは、以下のようなものです。引用します。
大阪大の祖父江友孝教授(がん疫学)は「一般的に検診を肯定的に捉える風潮が強いが、
検査を受けることで発生する不利益も考えてほしい」と話す。
日本でも厚生労働省の研究班がまとめた指針によると、
個人の判断で受診することは妨げないものの、
市区町村が行うがん検診への導入は勧められないという。
がん検診の最も重要な点は、検査によってそのがんによる死亡率を下げることだが、
国立がん研究センター検診研究部の中山富雄部長は
「PSA検査には『下げる』と『下げない』と両方のデータがあるため
証拠が不十分で、現時点で結論が出せない」と指摘する。
8割超の市区町村がPSA検査を導入している中で、
大阪府は府内の市町村に対し、
指針に基づく検診だけを実施するよう通知することも検討している。
ということだそうなのです。
つまり、PSA検査によって、得られる効果と、受けたことによって起きるデメリット
年齢や、その方のライフスタイル、考え方によって、
医師とも相談の上、考えて受けたほうが良い、
ということなのでしょう。
記事のタイトルにもありますが、
「賢い選択」。
医療の世界も、日々更新されていますから、
つねに新しい情報を集め、
賢く選びながら、
自分に合った治療を受けていく時代だということですね。
この「賢い選択」、最近ではインフルエンザの特集をしていました。
これも興味深い記事でした。
まずは、今回の引用した記事のリンクを張っておきます。
さらに、国立がんセンターのリンクも張っておきます。
こちらも情報が網羅されていて、勉強になります。
昔は、医療はお医者さんの言うとおりに、言われたとおりに
患者さんが従う、というものだったように思いますが、
今は、患者側もしっかり情報を集めて、
自分なりの考えをもって、お医者さんと相談しながら、
進めていく、
という時代なのでしょうね。
日々、勉強です。
堺に事務所を構え、大阪を中心に、
プロのライターが自分史を制作する IRODORI出版
(関西限定)